過去ログ(2010.05.30〜2010.08.31)
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本日発売のカートップとベストカーに、奇しくも似たような特集記事が載っていました。
どちらもインプレッサSTIの4ドアver発売を記念して、同じハイパワー4WDセダンのランサーエボリュ
ーション]との比較記事を書いていたのです。
ベストカーの特集記事は、インプレッサSTIとランエボ]以外にアウディS4も加えていましたので、カー
トップの表題「インプレッサ4ドアSTI vs ランエボ] 最終決戦」に対し、ベストカーの表題は「4WDスポー
ツセダン頂上決戦」となっていましたが趣旨は同じでしょう。
先に結果に触れておくと、カートップ側の記者はランエボ贔屓の竹原素信氏だからをランエボが勝者
で、ベストカー側の記者は電制嫌いの黒沢元治氏だからインプレッサが勝者でした。
まぁ、その辺は雑誌の購入者層に向けたアピールの違いであり、両誌が同じクルマを勝者にしなかっ
た点に販売戦略が見えて面白かった、と言って良いと思う。
だ が し か し 。
ベストカーの「4WDスポーツセダン頂上決戦」はランエボ]叩きが酷過ぎた。
幾ら黒沢元治氏が電制嫌いだからといっても程度問題だと思う。
氏が書いたこの記事には明白に悪意が読み取れて、非常に気分の悪い物となっていた。
これは物書きとして失格ではないだろうか、とさえ感じる程であった。
勿論、私が扱き下ろされた当該車両のオーナーというアンフェアな視点が故に、そう感じた部分は少
なからずあったと思う。
が、それでもコレはないと思うのだ。
以下に記事の一部を引用させていただく。
- - 引用其の壱 - - ここから - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
S4のエンジンは3月V6にスーパーチャージヤーを組み合わせ、トランスミッションは7速Sトロニックを
搭載する。
このツインクラッチトランスミッションがとてもよくできており、ライムラブも少なく、アップシフトも早い。
シフトアッフ時の歯切れのいいサウンドも気もちがよい。
このS卜□二ックに比べると、ランエポ]とインフレッサSTlのミッションはタラダラしているような感覚
がある。
7速と6速という段数の違いによって、S4のほうがクロスしているからだろう。
- - - - - - - - - - ここまで - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
インプレッサのATがダラダラしているのは、普通の構造のベルト式CVTだから仕方が無いとしても、
ランエボ]のTC-SSTがダラダラしているという表現はおかしい。
ちゃんとS-SPORTモードに切り替えた際のTC-SSTは、タイムラグがTVゲーム並みに少ない。
もし、NOMALモードで走っていたというなら、アレは省燃費走行モードだからダラダラしていて当然だ
が、箱根のワインディングロードでTC-SSTをNOMALモードにしていたというなら、それは悪意としか考
えられない。
また、S4アップシフトが早いのは、ランエボ]のエンジンが排気量2L+ターボチャージャーという構
造上低速トルクの細いエンジンなのに対して、S4のエンジンが排気量3L+スーパーチャージャーとい
う低速トルクの太いエンジンだからである。
ギアの段数差も無関係ではないが、エンジンの差の方も影響は大であり、その点に触れないのはお
かしい。
が。 まぁ、この件(くだり)は、インプレッサもランエボも一緒くたに叩かれているので構わない。
酷いのはこの次。
- - 引用其の弐 - - ここから - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
宿命のライバルとしてインプレッサSTIと凌ぎを削ってきたランエボ]を試乗した印象はよくない。
とくに足まわりが問題だ。
インプレッサSTIは現在の日本車でもっともアライメント変化が少ない足に仕上がっているが、対象的
にランエポの足は変化が大きすぎてクルマがどこへいくかわからない。
サスペンションのラバーブッシュが柔らかすぎるのだ。
もし三菱がこれをコンフオート性のためと考えているなら、意味を取り違えている。
現状では単純に路面からの振動、ハーシュネスのような唐突な入力を抑えようとするだけのセッティ
ンクで、快適性とは異なるものだ。
結果的にものすごくドライバピリティが悪くなっている。
単純に乗りにくいのだ。
- - - - - - - - - - ここまで - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
新型インプレッサがピロボールなのに対してランエボ]はゴムブッシュなのだから、ランエボ]のコン
プライアンスステアが対新型インプレッサ比で大きいというのは間違っちゃいないだろう。
だがしかし、「ランエボ]のラバーブッシュが柔らか過ぎる」と言うのは表現がオーバー過ぎる。
アレが柔らか過ぎると言うのであれば、およそ日本車、いや欧州車を含めて9割以上のクルマが「異
常に柔らか過ぎる」というレベルになってしまう。
もちろん、「ランエポの足は変化が大きすぎてクルマがどこへいくかわからない」なんてコトはありえな
い。
それなら普通の乗用車は危なくて運転できないではないか。
ランエボ憎しの余りに評価軸がおかしくなっていると思われてならない。
■ 後日記:2013.10.16 ■
ちなみに、ランエボがワイドタイヤを履いた車両にありがちな 「 轍にハンドルを取られ易い 」 傾向があるのは確かである。
しかし、それはブッシュが柔らか過ぎて走行中に好まれざるアライメント変化が出ているからではない。
純正で履いているタイヤが乗り心地優先な設計で、ケース剛性が低すぎるから起こる現象である。
タイヤの片端に入力した際に見掛け上のタイヤ外径が小さくなって、タイヤの転がろうとする方向が変わるのだ。
だから、ポテンザやアドバン等のSタイヤ一歩手前スポーツタイヤに履き替えると、この現象は見事に消えてなくなる。
しかし、疑問なのは黒澤氏がタイヤテスターだった経歴を持つという点だ。
ブッシュによるアライメント変化なのか、タイヤのケース剛性から来る見掛け上のアライメント変化なのか、・・・その違いが見
破れなくてもタイヤテスターってのは勤まるんだね。 ちょっと驚いた。
- - 引用其の参 - - ここから - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
また、ランエポ]がもっ電子制御システムは技術としては優秀だと思うが、技術に頼りすぎている感
は否めない。
もっとタイヤ理論やドライピンク理論といった、クルマの基本を重要視してほしいと感じた。
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三菱自動車が電制技術に頼り切ったクルマ作りをしていて、ランエボ]の基本性能が糞だというな
ら、この非難も正鵠を射ているのですが。
(オーナーだから言うんじゃありませんが)ランエボ]の基本設計は極めてマトモです。
黒沢元治氏が嫌うS−AWCは運転席の手元スイッチでOFFにすることが可能であり、OFFにして走
らせた時の挙動は決して手抜きで設計・製造された駄目クルマではありません。
極めてアタリマエにドライバーの予測(私の予測は低次元・低レベルですが)通りの動きをします。
そりゃまぁ、今でこそラリーアートが撤退してしまいましたが、元々はラリーレイドで使うことが前提の
基本性能ですからね。
電制で誤魔化したようなクルマじゃ使い物になりませんわいな。
- - 引用其の肆 - - ここから - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
こういった意味でもインフレッサSTIが示した方向性は高く評価できる。
クルマとしての基本性能を磨き、おそらく一般のユーザーの見えないであろう部分をただひたすらに
地道に進化させてきたのだ。
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まるでランエボ]が電制に頼り切って基本性能を疎かにしたか如き書き様。
私怨すら感じてしまいます。
で。 氏のランエボ憎しが極まっちゃてるのが↓これ。
- - 引用其の伍 - - ここから - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
改めて新しいインフレッサSTIとラン工ポ]を比べてみると、今ではライバルではなくなったと感じる。
ランエボ]は古くなってしまい、別の方向を向いてしまったのだ。
単純にいうとランエポは三菱ファンに向けたクルマといっていいだろう。
速さを比較しても、正確なタイムアタックは行なっていないが、ドライでもウェットでもインプレッサのほ
うが上だろう。
そのキャラクターの違いは装着タイヤにも表われている。
インプレッサSTlがBSポテンザRE050、ランエポがヨコハマ・アドパンA13(OP)であった。
REO50は欧州のBMWやメルセデス・ベンツをターゲットに開発されたタイヤで、ノーマルロードを快適
に走るための性能が出されて。 昔のインプレツサSTIはランエポと同じようなサーキット志向のタイヤ
を履いていたが、RE050としたのは、より大人のユーザーに向けたクルマヘと進化した証であろう。
もちろんキッチリ仕上げられた足まわりがあってこそ、スポーツ性とコンフオート性のバランスを得ら
れているのだが。
以前はずっとランエポにライバル心剥き出しで対抗していたが、いつの間にか性能で追い越し、ひと
まわり大人になっていたという印象だ。
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要約する。
(1) ランエボは、もはやインプレッサのライバルではない。
↓
(2) ランエボなんか買うのはず〜っと三菱車だけ買ってる情弱。
↓
(3) ランエボなんかよりインプレッサの方がきっと速いに違いない(ただし脳内ソース)。
↓
(4) 性能で勝っちゃったから、その余裕で
インプレッサは低グリップなコンフォートタイヤを履くんだぜ(根拠は想像)。
↓
(5) ランエボなんてガキだね。
_, ._
(;゚ Д゚)
正直、氏と三菱自動車の間に何かトラブルがあったのかと勘繰りたくなる程の文章である。
私が書く民主党批判じゃあるまいし、どうしてここまで敵意剥き出しなのだろうか。
確かに、同じタイヤを履かせて上級者ドライバー同士の対決ならインプレッサの方が速いだろう。
ただし、それはインプレッサが優れていてランエボが劣っているからではない。
極めて単純な話、MT車同士で比べてインプレッサの方が40kg軽くて、ギアが1速多いんだから、アタ
リマエだ。
しかし、我々のような低レベルなドライバー同士の対決ならランエボ]の方が速いと確信する。
同じタイヤを履いてのウェット勝負なら、尚更。
雨降る狭い峠道の追いかけこなら、ランエボ]の先行一発で勝負が付くのは確実だ。
確かに黒沢元治氏のように、クルマの挙動を完璧に先読みできるレベルのドライバーにとって、ラン
エボ]のS−AWCのような車両運動制御装置は煩わしい存在なのだということは理解できる。
自分が「こう動くだろうな」と予測した未来に合わせてクルマを操作しようとした場合に、その操作とほ
ぼ同じタイミングで電子制御が挙動に補正を掛けてしまうのだから、それは余計なおせっかい以外の
何物でもないだろう。
しかし、世の中誰も彼もがそうした運転能力を持ち合わせているワケではないし、その高みを目指し
て努力し続けているワケでもない。
あまり高くない運転技能者が安全にクルマを愉しむコトの出来る技術の否定は、即ち世界初の自動
車登場から連綿と続いてきた技術革新の否定でもある。
もちろん、実際にランエボの基本性能がインプレッサよりも遥かに劣っていて、「こんなモノに乗るの
は危ない」というなら扱き下ろすのも当然だ。
そうした啓蒙も記者の仕事だと思うから、そういう事実ならそれはそれで良い。
だけど違うだろ。
今回の4ドア版追加の際にフロントサスペンションのロワアーム支持部をピロボール化したことによ
り、ランエボ]よりも支持剛性が上がったのは事実だし、それは褒めることなのだろう。
しかし、だからといって普通のセダン比で言えば明らかに高硬度なゴムで支持するランエボ]を「柔ら
か過ぎる」と非難するのは行き過ぎだと思うし、何よりピロボールマウントは経年劣化で摺動部が磨り
減ってガタが出て異音や振動の元になる ―― しかも、ガタが大きくなると車検に通らない ―― から、
市販車では採用し辛いのである。
それを「ピロボールは、硬く乗り心地が悪くなってしまう特性を持つ」だけしかネガティブ要素がないか
のように書くのは好ましくないと思う。
竹原素信氏が書いたベストカーの「インプレッサ4ドアSTI vs ランエボ] 最終決戦」がインプレッサを
正当に評価しつつもランエボをちょこっとだけ贔屓することで、僅差でランエボを勝利させるという真っ
当な内容だっただけに、黒沢元治氏のネガキャンが際立った印象になったことが激しく残念だ。
なお、黒沢元治氏が書いたカートップの「4WDスポーツセダン頂上決戦」は、インプレッサとランエボ
以外にアウディのS4が参加していたため、輸入車マンセーの自動車評論家としてアウディを持ち上げ
る目的でトンデモ理論が展開する。
- - 引用其の伍 - - ここから - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
サーキットで速いだけが“スポーツ”ではないのだ。
日本人の描く「スポーツ」とはサーキットを連想させる表現となっている。
しかし、ドイツ車でのスポーツは異なる意味で表現される。
ドイツ車で使われる「スポーツ」の語源はスポーツカーのものではなく、「より大きなものをより多く運
ぶ」という意味を表す。
同じ排気量、同じ燃費のクルマ同士でも、より快適に、そしてアウトバーンで速く走れる性能がドイツ
で「スポーツ性が優れる」と評価されるのだ。
- - - - - - - - - - ここまで - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
これはさすがに、「んじゃ大型トラックやトレーラーは最上スポーツカーなのかよ」って突っ込みが入る
だろ。
大丈夫なのかなぁ、この人。
まだ荷重移動という概念が一般的じゃなかった頃から、荷重移動でクルマの運動を制御するという技
術を記事にしていたから、昔は私もファンの一人だったんだけど。
いつからこんな風になったのか...
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